2014年03月05日

【若手シールコレクター養成講座2】そしてシンオクへ続く道:ラーメンばあ系シール鑑賞手引き、の巻。

若手コレクター養成講座、第2回目の今日は、
シールコレクターの中でこれを知らないとモグリと言われる程メジャーなシールである
『ラーメンばあ』と『ガムラツイスト』他、
スタジオメルファンが手掛けたシールをご紹介いたします。

これは『ビックリマン』そして『ドキドキ学園』に次いで
有名なシールと言う位置づけになるのではないでしょうか。

『ビックリマン』を頂点とするなら、
『ドキドキ学園』『ラーメンばあ/ガムラツイスト』
『ハリマ王の伝説』『秘伝忍法帳』あたりが、
有名なシールという事になり、
この中で最も多くコレクターが存在するのが
『ラーメンばあ/ガムラツイスト』です。

現在まで多くのフォロワーが存在しているその魅力
私なりに解説していこうと思います。

先ずは早速、シールの方を見ていただきましょう。

こちらが、『ラーメンばあ』です。
IMG_20140305_100119.jpg

そしてこちらが『ガムラツイスト』。
IMG_20140305_100208.jpg

ご覧いただいてお分かりの通り、
シールの絵柄、そして意匠に大差はありません。
同じと言って良いでしょう。

勿論その理由は、同じスタジオメルファンがデザインを担当したから、
という事もあるのですが、もう一つの理由は、この二つのシリーズは世にも珍しく、
途中で話が分かれた作品であるのです。

詳しく説明しますと、
『ラーメンばあ』は、今で言うベビースターラーメンをスティック状に固めたお菓子に、
そして『ガムラツイスト』はイチゴ味のガムに、
それぞれオマケとして付いていました。
(『ガムラツイスト』の方が長く続いたので良く間違われますが、『ラーメンばあ』の方が登場はです)

第1弾と第2弾までは、まったく同じシールが、
それぞれのお菓子に付いていたのです。

私も正確な理由を知らないのですが(情報求む)、
シールブームの波に乗ったからなのか、
第3弾から『ラーメンばあ』は『ラーメンばあ』として、
『ガムラツイスト』は『ガムラツイスト』として、
それぞれ枝分かれして違うストーリーが展開され、
そしてシールもまた、異なるモノが入るようになりました。

同じ世界を共有する、
別のストーリーが、二つのお菓子で展開した、
という事になるのです。

更に言えば、もう一つアイスで
『ガムラツイスト:ハッスルマッチ』という外伝的シールが展開され、
『ガムラツイスト』の主要キャラの一人であるドリー・ゴッドが
3年間行方不明になっていた空白の時間過ごした
氷河軍団と熱帯軍団の抗争を描いたシールも2弾と短いながら存在し、
正確には3通りの話が、それぞれ別のお菓子のオマケシールとして展開されました。

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ハッスルマッチシール。2弾全40種類。

この辺がとてもややこしいので、
オークション等では『ラーメンばあ』のシールを
『ガムラツイスト』だと勘違いして出品している方などしばしば散見され、
なかなかカオスな様相を示しています。

そういう訳で現在でも、
『ラーメンばあ/ガムラツイスト』のように、
二つで一つの作品として取り扱う事も多いこのシールですが、
最大の魅力、そして発明はシールの総てがWシールだった、という事になります。

Wシールと言うのは、
シールが2枚封入されていた、という意味ではなく、
シールの上にもう1枚シールが貼られていて、
2重になっている事を意味します。

これを発明したのが『ラーメンばあ』で、
元祖という事になっています。

2重にする事で、そのキャラクタの本性、或いは正体を隠す事が出来、
めくった下にどんなキャラが出てくるんだろう?
という楽しみを味わう事が出来たのは、非常に画期的でした。

また、プロレスをモチーフにしたストーリーは
漫画化もしやすく、当時はアニメ化もされ
メディアミックスの先駆けの様な作品にもなっていました。

まぁ、しかし最終的には、シールがたくさん出過ぎてしまった為に、
集める事が難しくなり、シールブームの終焉と共に
両者姿を消してしまう事になるのですが……。

それはさておき、単体のシールを観ていきましょう。

IMG_20140305_095851.jpg

状態悪くて申し訳ありませんが、
ドン・ゴッド理事長です。

80年代当時のシールには、『スーパーゼウス症候群』とでも呼ぶべき、最大のヒット作にあやかった特徴があり、老人のキャラが重要なヘッドである事が多いのですが、本作もそれを踏まえています(それどころか、ラーメンばあさん何て言う老婆をいち早く持ってくるあたり、アイディアが凄いんですけども)。

HPゲージと、矢印が特徴的なデザインですね。
実はこれ、シールを集めると将棋の様な遊びができるのですが、
そのルール解説がコミックボンボンに掲載されたのみであまり浸透しておらず、
子供の頃、遊んだ、という情報をあまり聞かない幻のものとなってしまいました。

今度機会があれば、
シールコレクターの方を集めて、その遊びを復刻する企画が出来れば
面白そうなんですけどもね。

さて、少し話がそれましたが、
Wシールの方をもう少し詳しく見ていきましょう。

IMG_20140305_125144.jpg

上の画像は『ノストラダメス』という初期シールの、
めくる前、そしてめくった後の姿です(モチーフがノストラダムスっていうのも、世代ですねww)。

最初は、何か怪しげな雰囲気を持つ占い師のような男ですが
めくると占いが外れたのか水晶玉も割れ、
パワーゲージも大幅ダウン!

私はずっと長い間、この鑑賞法が分かりませんでした。
子供向けの単純明快なシール、ぐらいにしか思っていなかったのです。

しかし、先日シンオクシールのインタビューで、
スタジオメルファンの方にお話を聞いた時、

 京希が訊く 『真・おくのほそ道シール(シンオクシール)』スタジオメルファン桜井勇さん、ワイエスコーポレーション保坂朋章さんインタビュー

そういう事だったのか!
と稲妻に打たれたようにして、ある事に気が付いたのです。

そうか、『ラーメンばあ』は、2コマ漫画なんだ、と。

『ラーメンばあ』『ガムラツイスト』を担当されていた絵師さんの中には
元漫画家の方がいると聞いて、ピンときました。

連続する2コマ漫画の連作が、
一つの大きなストーリーを創り出す、
それが『ラーメンばあ』『ガムラツイスト』の世界であり、
それを読む事が、
正しい鑑賞法なのではないでしょうか。

事実、『ラーメンばあ』も『ガムラツイスト』も、
中盤以降は最早、漫画としか思えないシールが続々と登場します。

IMG_20140305_095944.jpg
完全に漫画のコマ割りを思わせるシール。

またその発見が、
3月末に販売されるスタジオメルファンの新作シール
『真おくのほそ道シール(シンオクシール)』で、
やたらとストーリー漫画を推してくる理由が垣間見えた気がしたのです。

そうか、制作者の方は漫画をやりたいんだ……と。

これはどんな作品にも言える事なのですが、
例えば絵画であれば、
ピカソの絵は確かにインパクトがあって凄い、と思えるのですが、
何故彼が普通の絵も描けるのに、
キュビズムと言われる方法で絵を描き始めたのか、
そういう歴史を知ればより、その絵を楽しく鑑賞する事が出来ます。

これは絵に限らず、世に出ている作品総てそうなのです。
映画には監督や脚本家の人生が、
小説には作家の人生や経験が
それぞれ反映されるものです。

シールも全く同じです。
『ラーメンばあ』を漫画として制作していた、
として観ると、これは非常に奥深い。
そこに、人生が見え隠れするような気がするのです。

憶測でしかありませんが、
このシールの奥底には、漫画家としての熱意が今も渦巻いているのかも知れません。
私には何故か、そう思えてならないのです。

最後にもう一つだけ、
僕が今も集めている『タイムスリップバトル』をご紹介してお別れしましょう。

IMG_20140305_100320.jpg

ブーム終焉間近、Wシールを進化させ、
過去と未来を、シールをめくる事で時空を旅させる、
そんな夢にあふれたこのシールが、僕は大好きなのです。

80年代から時を超え生まれ変わったシンオクシールが
うまく行く事を願いつつ、
今回はこの辺で。

そんな訳で、
こちらからは以上です。

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posted by きょうきりん at 14:26| Comment(10) | 珍コレクター京(ビックリマン他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログ拝見させていただきました。確かにおっしゃるとおり、メルファン社長の口癖かな〜〜、始めと終わり、特に終わりをどうするかをまず初めに決めたり、終わりのパターンを色々考えていたり、ストーリーマンガもそうですが起承転結で4Pでラフ案にかなり力を入れてらっしゃいます。このラフ案の最中に、最後をどうするか、つまり4Pのホントのホントの最後コマのところですね、もうそこを考え抜いてまた会って話して、違ったことが浮かんだらまた会っての繰り返しをしております。また高橋さんの以前ブログで、昔のおまけシールをもう一度、何か表にするとかのお力添えが出来れば、と思っております。全然話は変わりますが、なぜか20代〜から高校生、大学生ですって言う、これからのコレクターなんですけど・・・で印刷のことなどの問合せが来ており、若い方々へ、今の30〜40代の私たちが昔のおまけシールを伝える役目もあるかもしれない、と感じております。
Posted by シンオク at 2014年03月05日 15:24
後半トリプルなんかまんま絵コンテですよね。
裏書きとシール絵でイマジネーションがインフィニティにエクステンドです!
特に、ガムラ12~13弾で繰り広げられるフレアvsデルタウエストの戦いといったら!
大好物ですよ!

そうそう!ブログにコメントありがとうございます!
明日京希さんのブログ、記事にさせていただきます(^ν^)


心配いりません、僕のブログなんてどうせロクな奴が見ないブログですから!
決して炎上はさせません(笑)
Posted by タロスケ at 2014年03月05日 21:55
シンオク様

コメントありがとうございます。

やはりそうなんですね!
その辺のこだわりはきっと、
漫画家としての資質から来るものなのではないかと、
僕は考えています!!

そういうお話を直接聞けるのは、
非常に興味深いですね!!


昔のシールを表にする、
っていうのは『シールコレクターズガイド』の事ですね?
是非是非協力お願いします!!

シンオクシール全リストとか、
きっと皆さん求めてる事だと思います。


それから、若手シールコレクターが増え始めてる、
というのは、僕も最近のブログでこうした取り組みをしているので、
少しずつですが感じています。

もっともっと大きなムーブメントにしていきたいですね!

Posted by 高橋京希 at 2014年03月06日 09:08
タロスケさん

イマジネーションがインフィニティにエクステンド……
ちょっと何言ってるかわかんないですwwwwwww

ケド本当に後半3枚重ねとかになって、
より漫画っぽくなっていくんですよね。

そう言えば、実写シールがある、
って言うのも、実を言うともの凄い事なんじゃないですかねww
やっぱりアイディアなんですよ。


え?
僕のブログが記事に??

そんな、僕お返しできないですよ(笑


そんな訳で、ここで宣伝!
こちらがタロスケさんのブログです。

http://ameblo.jp/imakiraku39007700/
Posted by 高橋京希 at 2014年03月06日 09:12
シンオクシールは期待しております!やはり、ラーメンばあのCMは素晴らしかったです!
Posted by Taka at 2014年03月06日 23:31
Wシール!?
なんて画期的っっっ!!!!
私のように何も知らない新人にわかコレクターもどきには、これは興奮モノです!

「シールをはがしたら、その下にまた..」ってあれ?
これって「武壮動伝」でも似たようなのがありましたっけ?

それにしても漫画やアニメ、こういうおまけつきお菓子にしても、80年代って私のツボにはまるのばっかなんだよなぁ...この年代に生まれていたらな..絶対楽しかったよこの時代!!(笑)私にとってまさに黄金時代!!どらえも〜ん!!!
Posted by とうしろう at 2014年03月06日 23:48
そうです!シールコレクターズガイドです!私もコレクターですが、できることがあれば協力します。今はかなりバタバタですが、今の10代、20代でこれからおまけシールに興味を持つ方は、やはり布石というかおまけシールってどういうのがあったの??って疑問があると思います。そこは今の30〜40代の私たちが、伝えていければ、と思います。キャラクターだったり、印刷方法が変化したり、とか。こういった提起は勇気のいることだと思いますが、やれることを少しずつやっていければ、と思います。
Posted by シンオク at 2014年03月07日 04:04
Takaさん

コメントありがとうございます!

そうですね、
先ずは期待!
ですね。

『ラーメンばあ』のCMに出ていた人が、
そのままシールになる、
そういう遊び心が良かったりしましたよね。
Posted by 高橋京希 at 2014年03月07日 08:47
とうしろうさん

凄いでしょう?
2枚重ねのシールは、この作品がルーツなんですよ。

ただ集める時に、
2枚シール貼ってあるのと、
1枚剥がしたやつと、
で集めたいとか思うようになると、
もう、目も当てられない事になったうんですよね。

『ガムラツイスト』何かは、
後半3枚重ねだったりしましたしww

『武層動伝』はシールの貼り替えが出来る、
というのがコンセプトだったのですが、
何故か貼りかえたシールがそのまま何種類も封入されていた
謎仕様でしたww

90年代以降は、模索よりも
マーケティングが優先する時代になるので、
芸術よりも、商品という側面が強くなるんです。

その差は大きいと僕は思っていますよ。

Posted by 高橋京希 at 2014年03月07日 08:51
シンオク様

少しずつですけど、
僕がブログで発信していった事が、
皆さんに賛同をもらえて、
最近はとても充実してます。

この先、シールコレクターが全員おじいちゃんになってしまう、
そんな高齢化社会にしてはなりませんww

シール収集の奥深さを次代につなげる、
ヘッドロココのような役割ができれば良いですね。

まぁ、光を照らす照光子ぐらいにしかなれないかも知れませんが(笑

それにはまだまだ、
多くのコレクターさんの力が必要です。

もっともっと多くの人が来てくれるよう、
誠心誠意邁進して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。
(相撲の所信表明みたいになっちゃったww)
Posted by 高橋京希 at 2014年03月07日 08:57
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