2014年09月03日

【若手シールコレクター養成講座7】『ビックリマン30周年』! だけど、忘れていませんか? 反後博士の事、の巻。


最近、『ビックリマン』盛況ですよね。

特に飛鳥新社さんの『ビックリマン原画大全』、
そしてサイン会も記憶に新しい『ビックリマン原画展』と、
事そのイラスト、デザインの素晴らしさに置いて
30周年、盛り上がってきております。

勿論、僕としましても
まだまだ米澤様、兵藤様の功績は
世に知れ渡っておかしくない、
こんなものじゃない!
と、思う反面、
絵の方面でばかり『ビックリマン 悪魔VS天使』シリーズについて
取沙汰されているのは、正確じゃないように思うのです。

特に、若手シールコレクターのボーイたちは
もしかするとグリーンハウス様のお名前は知っていても、
反後博士、ビックリマン博士、タンゴマンこと、
反後四郎様の事を知らないのではなかろうか?
と、この30周年を楽しみつつも、
頭の片隅で不安に思っておりました。

そこで今回は、
せっかく若手シールコレクター養成講座
なる連載を書いているものですから、
少しその、反後博士について書いてみる事にいたします。
(お気づきでしょうが、タワスペのキョウキ博士も反後博士から拝借しております)

反後四郎さんはロッテの商品開発部に所属し、
『ビックリマン 悪魔VS天使』シリーズを開発した事で知られています。

『ビックリマン 悪魔VS天使』シリーズのブームには、
その反後博士の考えた世界やキャラクタを
正確にデザインしたグリーンハウスのお二人と、
より明確に具現化したコロコロコミック編集部の手によるところが
ムーブメントに大きく貢献した事は近年明らかになってきておりますが、
それでもやはり、核となる部分を創世した反後博士の偉大さは褪せる事がなく、
また、忘れてはいけないとても重要な事です。

上記3つ、どれかが欠けても『ビックリマン』が
今日まで愛されるオマケシールにはならなかったでしょう。

それだけ、奇跡的な企画だった訳ですが、
この30周年に、反後博士の名があまり出てこない事が
私は哀しい!

なので、今日はその名前だけでも覚えて帰ってください。

反後博士という人が『ビックリマン』の生みの親で、
あの裏書きを全部書いています。

反後博士の偉大な功績の一つに、
この裏書が存在しています。

あまりにもそのインパクトが強かった為、
当時のシールブームで後発されたあらゆるシールは
ほぼ総てその影響下にあります。

強烈すぎたのか、
「オマケシールの裏面ってあんな感じじゃないといけないんだよね?」という
謎のルールのようなものまで生まれてしまって、
大半が模倣、そして劣化という形になってしまいました。

(余談ですが、そんな中、
独自のストーリーを打ち出した『ガムラーメン』や、
ある意味で最も強く『ビックリマン』の世界を色濃く吸収し、
日本独自の妖怪や仏教の世界に融合させる事でカオスとなり、
電波系と言えなくもない世界まで到達してしまった『ドキドキ学園』等、
人気があったシールは、『ビックリマン』の裏書きの模倣ではなく、
そこから離れようとした跡が見て取れるのが面白いですね)


僕は以前このブログでも触れたとおり、
『ビックリマン 悪魔VS天使』シリーズの鑑賞法は、
絵と裏書きから、絵解き・謎解きをするものだと思っています。

 詳しくはこちら
 ⇒ 【ビックリマン鑑賞学】絵解き・謎解きビックリマン:『ビックリマンと鳥山石燕の意外な関係』、の巻。

そういう意味でも、
絵の方面でばかり『ビックリマン』を解説するのは、
とてももったいない事だと感じてしまうのです。

今現在シールのリバイバルブームですが、
反後博士に原作を書いてもらうぐらいの人が現れてもおかしくないんですけどね。
僕だったらそうします。

おそらくほぼ総ての裏書きを読みましたが、
反後博士の創る世界は、とても素晴らしいものがあります。

初期の方こそ、同じく『ビックリマン』以前に手がけられた
『まじゃりんこ系シール』のダジャレ的な裏書きが多く、
世界は固まっておりませんでしたが、
ヒット商品になるにつれ、
まるでそのヒットを与えてくれた神様を探るかのように、
『ビックリマン』は神の所在を突き止めんとする哲学的な話に変容していきます。

今僕が「最もインタビューしたい人は誰ですか?」と聞かれたら、
間違いなく「反後博士だ」と答えるでしょう。

実際にお会いして聞いてみたい事がありすぎて困ります。

『ビックリマン』は神々が人を生み出すまでの神話でしたが、
『ひかり伝』以降はその神々に向き合っているように思えます。

この心境の変化こそ、
『ビックリマン』が何であるかを解くのような気がしてならないのです。

いつかこの反後博士側から読み解く『ビックリマン』の研究を
このブログ、或いはどこかでできればなとは思っていますが、
それにはどうしても、反後博士自らのお話を聞きたい……!

この世に出る『作品』と呼ばれるすべての物は、
必ず作り手の思想・信念・考えが反映されます。

反後博士が何を思い、何を考えているのか、
実際のところ、それが一番の『ビックリマン』の謎なのかも知れませんね。


さて、途中からきっと
意味不明になった方もいるかと思いますが、
話題をガラリと変えまして(笑、
本日、9月3日は反後四郎さん65歳のお誕生日です。

おめでとうございます!!!

いつか、お話聞かせてもらえたらいいなと、思いつつ
逃げるように今回はこの辺で。

そんな訳で、
こちらからは以上です。

posted by きょうきりん at 11:19| Comment(4) | 珍コレクター京(ビックリマン他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
京希さんとは、原画展でもっとお話ししておきたかったなぁ。

全くの同感で、反後さんの名前が出てこないことに違和感を持っていたものの一人です。原画展のときに誰か相手にそのことを話してたんですよ。

原画大全にも一言も出てきませんよね。細かいことは知りませんが、反後さんからの発注ありきでデザインしたキャラもたくさんいたのではなかったでしたっけ。
散々ダメ出しされて仲良くないのかな、と邪推してしまったりして(笑)

幼少期の神は反後さんでした。むしろ、絵を描いてるのがグリーンハウスという会社のお2人、と知ったのはかなり後になってからです。(もちろんお2人が神なのは変わりませんけどね)

反後さんは定年退職されて、難しい立ち位置なのかもしれませんが、また新作を作ってほしいです。

過去にも散々語られてきたことかもしれませんが……
ストーリー面では、コロコロの担当だったなんとかさんのような、反後さんの電波なメッセージを整理してわかりやすい解説を加えられる方の存在が必要不可欠ですね。ひかり伝は弾ごとにエリアを移動したことぐらいしかわからなかったので。
キャラデザ面では、例えば3すくみは、ストーリー上必要なキーパーツ以外はグリーンハウスさんの自由にしてもらって、美形キャラ、美少女キャラを増やすとか、そういうことをやったらどうでしょうか。
……ロッテの現在の担当さんはそこまでして反後さんの生み出すものを生かそうとは考えていなさそうなので、難しいでしょうかね。

なにはともあれ、反後さん、お誕生日おめでとうございます!好きです!!
Posted by gemi at 2014年09月03日 14:14
はじめまして。
今まで楽しく読ませてもらっていましたが、
今回の件で激しく共感しましたので初めてコメントさせて頂きます。

確かに、巷では30周年関連で色々な企画が盛り上がっています。
そのどこにも反後博士の名が出て来ないのには
自分も何というかモヤモヤとした違和感を感じていました。

原画展の色紙、普段ビックリマンに縁のなさそうな
芸能人やスポーツ選手達(恐らくロッテ/ロッテリアのCM関連でしょうか)が並んでいるのに
そこに反後博士の名が無い、という状況。
BMを分業制の漫画作品に喩えるのなら
「作画」はGHで「原作者」は反後博士ですよ。
北斗の拳やデスノートの原画展をやったとして、
武論尊氏や大場つぐみ氏の存在をスルーされている様なものです。

オールスターチョコとて「BM親善大使」が今回クローズアップさえているのに、
反後博士はチョイス担当にすらなっていない、という状況。
どころか製品版では原作シールで博士が担当していた裏書が
今回別のオリジナルの書き替えられている、という…

確かにGHのお二方は神です。超聖神です。
ですが、そのBMを作り上げてきたもう1人の神である反後博士が全く不在、
どころか意図的に排除しているという疑念すら出てくるような30周年企画には、
やはりどこかモヤモヤとするものを感じてしまいます。

ロッテ及びBMプロジェクト内部的に
何があったのかは残念ながら窺い知れませんが、
BMを語る上では絶対に欠かせない創造主・反後博士のことを
忘れているのは何事か!と強く進言したいです。

長々と長文失礼いたしました。
Posted by 通りすがりの1コレクター at 2014年09月04日 00:29
gemiさん

こんにちは!
コメントありがとうございます!!

原画展という企画自体は、
原画大全ありきの物だったと思うので、
そこに反後博士が関連してないのは、
理解出来る事なんですね。

ただ、空気として、30周年の流れに組み込まれているので、
当時の事情を知らない若手のコレクターさんたちが
「これがビックリマンの総て」と思ってほしくない、
というのが今回の記事の発端なんです。

この記事、反響がとても大きくて、
僕は「皆忘れてなんかいなかった!」って
とても安心したんですよ。

反後博士の存在を忘れて欲しくなかった、
ただそれだけなんです。


Posted by 高橋京希 at 2014年09月04日 09:22
通りすがりの1コレクター様

コメントありがとうございます。
こんな変なブログを読んでいただいて、
本当にありがとうございます。

コメントいただけなくても、
アクセス履歴で、たくさんの人が読んでくださってる事、
いつも感じております!


さて、おそらくなんですが、
これにはロッテ様の勘違いがあるように思うのです。

リバイバルシールブームの件は、
ロッテ様ももう知っている筈で、
絵柄がグリーンハウス様ならば、
シールコレクターは買うんだな、
という意識を植えこんでしまったのではないでしょうか。

おそらく『聖核伝』以降のシールが
そんなに奮ってないのもあるのでしょうが、
そういうところを総合して考えると、
別に……となってしまうのかも知れません。

これは大きな間違いで、
今『ビックリマン』ファンが最も望む商品は
過去のストーリーではなく、
『第33弾』だと思うんです。

30年経った今だからこそ
反後博士とグリーンハウス様の手で、
完結させてほしい、
ジオ歴の続きを見せて欲しい、
この想い、片想いのような気持ちが、
現在のリバイバルシールブームの正体のような気がしてならないのです。

本家があの日消えてから芽生えた
喪失感を大人になった今も、
別の物で補おうとしているに過ぎません。

今からでも遅くないですよ。

『ビックリマン33周年』に『第33弾』を!

こういう企画は通らないものなのでしょうか?

反後博士とグリーンハウス様で
やる事に意味があるんです。

ロッテ様!

是非!

お考えを!!

途中からロッテ様へのお願いになってますが(笑

コメント、ありがとうございました。
また遊びに来てくださいね。


Posted by 高橋京希 at 2014年09月04日 09:36
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