久しぶりの『キョウキが訊く』は9月1日に初の作品集『ビックリブック』を発表されたイラストレーターのタカハシユキオさん! 様々なアーティストをかわいくディフォルメしたイラストにときめいちゃったキョウキ・カンバーバッチが今回も根掘り葉掘り、微に入り細に入り「直接!」訊いちゃいますよ〜。
<訊かれる人>

YKOYKO (タカハシユキオ)
イラストレーター、マッシュアップ・クリエイター。1981 年生まれ。2012年頃からアイドルのマッシュアップをネット上で公開し始める。中でも、代表作となった"岡村靖幸×ももクロ"のマッシュアップ「あの娘ぼくが走ったらどんな顔するだろう」のYouTube再生回数は20万回を超える。2013年末頃から有名(マニアック?)なミュージシャンを愛らしくデフォルメしたビックリなキャラクターイラストをtwitterで投稿したところ話題を集め、ジム・オルークのライブ来場記念ステッカー、ブックユニオン購入特典栞、felicityキャンペーン特典ステッカー、サン・ラー生誕100周年記念特典ステッカー等、数多くのイラストを手掛ける。2014年より Ustreamで音楽プログラム"YKOYKOTV"を企画するなど活動の幅を広げている。
⇒ YKOYKO(tumblr)
⇒ 『ビックリブック』ご購入はこちら
<訊く人>
キョウキ・カンバーバッチ
オマケシールやカード等「好きなことを好きなだけ」をコンセプトに綴られる『キョウキの沙汰とは思えないblog』管理人。シールスクライバー(探究者)としてシール研究を続ける傍ら近年では『ステッカー帝国の復讐』を発表。オマケシールの楽しいコレクションを普及すべく活動中。youtubeで『キョウキ・カンバーバッチの音沙汰』近日配信開始。異世界からのミラクルなパワーを受信する男。
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キョウキ・カンバーバッチ(以下、キ)「沙汰ニストの皆様こんばんは! 生活スタイルがめっきり変わってしまった為、ちょっとお久しぶりになってしまいましたね。お待ちかね『キョウキが訊く』のお時間です! この秋冬は攻めていきますよ〜! さて、今回は今月初めに『ビックリブック』を上梓されましたイラストレーターのタカハシユキオさんです。今日はどうぞ、よろしくお願いいたしま〜す!」
タカハシユキオ(以下、ユ)「よろしくお願いします」
キ「それでは賑々しくインタビューの方始めて参りましょう。さっそくですが、簡単な自己紹介をお願いします!」
ユ「はじめまして。イラストレーターのYKOYKO(タカハシユキオ)と申します。音楽が大好きなので主にミュージシャンを可愛くデフォルメしたイラストを描いています。今回は宜しくお願いします」
キ「あの〜、実は前から気になっていたんですけど、『YKOYKO』っていうお名前ですが……何て発音すればいいんでしょうか? 基本的な質問ですいません」
ユ「正しくは『Y.K.O.Y.K.O.(ワイケーオーワイケーオー)』なんです」
キ「そ、そのまんまなんですね?ww」
ユ「はいそうなんです。で、これは自分の作品を発表する際の名義として使ってます。最近、色んな方に何て読むのか聞かれることが多くて 「わいこわいこ」とか「いこいこ」とか呼ばれちゃう事もあるんですよ(笑」
キ「それだと地球防衛少女みたいですね。実は今回インタビューするに当たってご活動をあらためて調査させていただいたのですが、僕が大ファンである岡村靖幸さんと『ももクロ』(あーりん推し)のマッシュアップ作品を制作された方と同一人物だってはじめて知ったんですよ。もう超驚いちゃって。これはこの人に話聞かないといけない! ってその時に思ったんです」
ユ「ありがとうございます。岡村ちゃんのファンなんですね! マッシュアップの方も聴いていただけて嬉しいです(笑」
キ「大人になってからより好きになった感じなんですよ岡村ちゃん。原稿書く時にかけたりしてますよ。『ラブメッセージ』好評発売中です! えっと、それであの、音楽活動はいつ頃から始められたんですか?」
ユ「音楽活動は高校時代からDTM(打ち込みで作る音楽)を趣味でやっていて、2012年の春頃からアイドルのマッシュアップを大量に作るようになりました」
キ「そういう長い蓄積がある訳ですが、発信するようになったのは案外最近なんですね。時代の変化もあるんだろうなぁ。そう言えば、シールクリエイター関係では『ラーメンラリー』のイラストレーター根岸たくみさんもミュージシャンの一面をお持ちですし、案外多いんですよね。創作するという部分で、音楽と絵を描く事の違いを感じる事はありますか?」
ユ「根岸たくみさんも素敵なイラストを沢山描かれていますよね」
キ「お二人の優しいタッチにちょっと共通点を感じたりしてます」
ユ「そうですねぇ。創作に関して言えば、音楽も絵も、ふと思いついたアイデアをパッと作品にしているので、基本的には考えている事は一緒ですね」
キ「えー?! 驚き桃の木シーモンキー! そうなんですか? 何か僕には音楽の才能が皆無なので、まるで別次元の要素に感じちゃって、それを聞くと驚いちゃいます。じゃあ小さい頃から音楽が好きな感じだったんですね。81年生まれという事で『ビックリマン世代』かと思います。おそらく小学校低学年ぐらいで一大ブームを迎えた頃ではないでしょうか? 当時の思い出やエピソード等ありましたら是非お聞かせください」
ユ「完全にビックリマン世代です!」
キ「ですよね!」
ユ「確か小学校の時に『ビックリマン 悪魔VS天使シリーズ』が大流行していましたね。少ないお小遣いでビックリマンチョコを大量に買ってヘッドを当てた時はとても興奮したのを今でも覚えています。あと、ウエハースチョコも残さずちゃんと食べていましたよ(笑」
キ「そ、それは耳が痛いww 僕は子供の頃から甘い物が苦手で……チョコを食べても「うまい!」って感じない体質なんです。「甘い!」ってしか感じなくて、しかもそれが「美味しい」とイコールにならない。食べれなくはないけど、甘いだけで美味しく感じないので、不思議な食べ物でしたね。と、脱線いたしましたが、シールは現在でも集めていらっしゃいますか? また、シールの他にコレクションしているものなどございましたら教えてください」
ユ「一昨年に発売された『ビックリマン』と『ももいろクローバーZ』がコラボした、『ももクロマンチョコ』をコレクションしています。「ももクロちゃん」が大好きなので。あと普段は、アナログ盤(レコード)を沢山集めてますね」
キ「やっぱりそこにも音楽が絡んでくる訳ですね。興味深いなぁ。そうなってくると、絵の方はどこから入ってくるんだろ、って事になっちゃいます。イラストレーターとしての発端はTwitterであったようにプロフィールでご説明されていますね。そもそもは、絵とどういったお付き合いをされていたのでしょう?」
ユ「小学生の頃、絵画コンクールで金賞を穫ったり、元々絵を描く事が好きだったんです」
キ「僕もそういう子供でした。高校の頃『マンガ甲子園』に行ったりしてね」
ユ「ですが、ここ数十年はイラストとは全く無縁な生活を送っていました。自分がイラストレーターになった事の発端は「ももクロちゃん」のお陰なんです」
キ「ほうほう? と仰いますと?」
ユ「先ほど話した『ももクロマンチョコ』を手にした時、「もし自分の好きなミュージシャンがビックリマン風にデフォルメされていたら、どんな感じになるんだろう」という妄想をイラスト化してみたんです。そのイラストがすごく上手く描けたので、Twitterで投稿したところ瞬く間に拡散されて一気にフォロワーさんが増えました」
キ「拡散助さん! 凄い、何そのミラクルシンデレラストーリー!www Twitterで話題になって活動の幅が広がる、というのは何とも今日的な話ですよね。その辺についてご自身ではどう思われますか?」
ユ「これが10年前なら、絶対このような状況にはなっていなかったと思います。本当に運とタイミングによる所が大きいと思っていますので」
キ「タカハシさんに限っては蓄積が良かったのかなって感じしますよね。絵にしろ、音楽にしろ、蓄積して確かな物になってから発表したのがより作用してるのかも知れません」
ユ「そうなのかな(笑」
キ「そうかも、という事で。でですね、『ビックリブック』のお話の前に、それ以前のシール関係のご活動についてお伺いいたします。私たちコレクターの中では、おそらく最も最初にお名前を伺ったのは『サン・ラー生誕100周年記念特典ステッカー』なのではないかと思います。ですが、それ以前にも幾つか作成されていますね。『ジム・オルークのライブ来場記念ステッカー』や『felicityキャンペーン特典ステッカー』ですが、これらはどういった経緯で制作する事になったのでしょうか?」


他にも多数の作品を制作されてます。
ユ「Twitterで自分のイラストを見たレコード会社の関係者の方から声をかけていただきました」
キ「え!? それもTwitterからなんですか?? 何それ夢が広がりますね!」
ユ「本当にありがたい事だと思っています」
キ「そう言えば僕も過去に雑誌でインタビューされた時、コンタクトされたのTwitterからだったなぁ。何かやってる人を見つけた時、探すのにも声をかけるのにも適したツールなんですね。Twitterすごい! ってなっちゃう(笑」
ユ「本当ですね(笑」
キ「『サン・ラー生誕100周年記念特典ステッカー』はサン・ラさんご自身がとてもミステリアスで、木星から来たと公言されてたりするんですよね(笑)。彼は知る人ぞ知るコズミック・ミュージックの大御所ですが、そういった方をシールにするというのは、とても大変な責任や重圧があったのではないでしょうか? 制作についてのご苦労や、そもそもこの依頼を受けたキッカケ等について教えてください」

ユ「サン・ラー生誕100周年を記念したCDがリイシューされる際に、特典のステッカーの制作の依頼がありました」
キ「はいはい」
ユ「元々サン・ラーが大好きだったので、この話を頂いた時は本当に嬉しかったんですが、その反面、サン・ラーをキャラ化した前例が無いものですから、イラスト化にはかなりの試行錯誤がありました。そのお陰で素敵な作品に仕上がったので今でもお気に入りのイラストです」
キ「凄くキャッチーでキュートな方なのに、キャラ化されてこなかったというのも意外ですよね。今回タカハシさんにインタビューするに当たってサン・ラの代表曲を幾つか聞いてみたのですが、とても不思議な感覚になりました。50年以上も前の曲なのに新しい! というか、聴けちゃう。お好きだという事ですので、タカハシさんも絵を描いてる時サン・ラの楽曲を聞いたりしていたんでしょうか?」
ユ「勿論(即答)! イラストを描く時は必ず描いてるミュージシャンの音楽をBGMで流しながら制作しています。サン・ラーの音楽は、フリージャズという枠を飛び越した得体の知れない音楽で昔から大好きなんです」
キ「確かに得体が知れない(笑」
ユ「お気に入りのアルバムは「Disco 3000」と「Space Is The Place」ですね。あと、生誕100周年を記念して海外から発売された2枚組コンピレーション盤「In The Orbit Of RA」も初心者の方にお勧めの1枚です」

キ「今度聞いてみます! さて、この夏……8月の15・16日には『YKOYKO展』も開催されました。2年間のご活動を振り返る展示内容だったとの事なのですが、『ビックリブック』制作と意識的な関連はあったのでしょうか? 8月、9月に個展・本という二つの形式で形になっていて、とても創作意欲を感じます」
ユ「この夏は個展の準備と『ビックリブック』の作成ととても忙しい毎日でした」
キ「ですよね!」

ユ「もともと『ビックリブック』は、個展を告知した後に思いついたアイデアなんです」
キ「あ、そうだったんですか?」
ユ「個展で何か売るものを作ろうと考えた時、当初は簡素なZINE(キョウキ注:ジン。簡易でPOPな同人誌のような物)を作る予定だったのですが、最終的には2年間の活動を総括する作品集に仕上がりました。収録されている全てのイラストは自分のTwitterやTumblrで見れるんですが、こうやって今まで描いたイラストを本にして眺めていると様々な記憶が蘇ってきますね」
キ「やっぱり違いますよね〜。個展を終えての感想をお聞かせください」
ユ「当初は昨年の11月頃に個展をやろうかなと思っていたのですが、結局やらずに終わってしまった事を凄く後悔してたんです。こんな事をやれるチャンスは二度とないから、このタイミングで何かアクションを起こさないと一生後悔すると思い、勇気を奮い立たせて開催しました。実際個展を開いたら予想以上の反響で、遠方からお越しくださった方や、ミュージシャンご本人がお越しくださったりと色々なミラクルが起こったんです」
キ「ご本人登場! 沙汰的には、それを異世界からのミラクルなパワーと言います(笑」

ユ「個展を通して色々な方達と知り合う事ができたのは一生の思い出ですね。本当に開催してよかったと思っています」
キ「それちょっと分かる気がします! 僕もこのブログは幸いな事に多くの方に読んでいただいているのですが、沙汰ニストの方にお会いすると、僕がブログに書いて、本人もすっかり忘れてる事を「あれが良かった」って言われたりして、自分より詳しかったりするので、そういうのがあると、心の友が増えたような、一気に距離が縮まるんですよね。ネットの繋がりから、リアルの繋がりになる素敵さ、っていうのは本当に感じます。じゃあ個展は大成功でしたね!」
ユ「おかげさまで、ありがとうございます」
キ「さて、『ビックリブック』大変素敵なご本でした。100人以上のキャラクタが登場するので、観ていて飽きず、ついついパラパラとめくっては、新しい発見をしています。制作するに当たって、心がけられたことはどういった事でしょう?」

ユ「ご覧いただきましてありがとうございます! 掲載しているキャラ画は全てミュージシャンなので、音楽好きな方が眺めて楽しんで頂ける作品集になる様に心がけました」
キ「本のサイズが7インチサイズである等、細かなこだわりを感じました」

ユ「レコードが好きなので、7インチサイズの冊子のアイデアを思いついた時は一人でガッツポーツをしてしましました(笑」
キ「結構このサイズで作るのって定形外だから大変ですよね。ミュージシャンのチョイスの基準はあるんですか?」
ユ「基本的には自分が好きなミュージシャンを基準にしています」
キ「まぁそれ大事ですよね」
ユ「そのミュージシャンに最大級のリスペクトを込めて描くには、本当に好きじゃないとなかなか描けませんからね。描き始めた当初は10枚ほど作れればラッキーと思っていたので、ここまで長く続くとは夢にも思っていませんでした」
キ「色んな人が共感してくれて、それが力になって継続してるんですから、やっぱりそこは凄いなぁと思っちゃいます。日々感謝ですよね(笑」
ユ「日々感謝です(笑」
キ「個展を開き、1冊の本を作り精力的に活動されてきましたが、今後の活動にも期待されます。エッセイも拝見いたしました。
⇒ はじめてのエッセイ(ヒトトヒトサラ)
キ「文中『普通じゃないものに今でも夢中さ』という言葉が出てきますが、素敵なフレーズですね。それを読んで、今何かタカハシさんの中で、夢中になった物、夢中にさせてくれたものを通して、今度はご自分が絵と音楽で他の『誰か』を『夢中』にさせたい、と考えていらっしゃるのではないかと感じています」
ユ「ありがとうございます。絵にしても音楽にしても自分の作品を沢山の方に評価していただけていることは本当に幸運だなと思っています。今回の個展も大盛況だったので、今後も定期的にイベントを開催したいと考えています。音楽好きとシール好きな方が集う憩の場になったら最高ですよね」
キ「それ素敵ですね! 絶えず良い感じの曲が流れてるシールカフェとかね(笑)。僕はシールをもっとオシャレにしたい、アートにしたいって言う気持ちが強いんで、何か凄くいいな、素敵だな、って思っちゃいます。それでは最後に『ビックリブック』を購入した皆様、このブログのメイン読者であるシールを愛する方々にメッセージをお願いします!」
ユ「ブログをご覧の皆様、そして『ビックリブック』を購入してくださった皆様、いつも応援してくださり本当にありがとうございます。自分の絵柄は本家『ビックリマン』の画力と比べたら足下には及ばないかもしれませんが、まだ描きたいイラストは沢山ありますので今後の活動を楽しみにしていてくださいね!」
キ「本日はどうもありがとうございました!!!」
ユ「ありがとうございました〜!」
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いやぁ、いかがだったでしょうか。
今回も面白いお話を訊く事ができましたね。タカハシさんのような存在が新たにシールの世界に登場する、というのは2015年、まだまだ新しい事がシールで生まれてくるという一つの証拠と言えるのではないかと思います。
80年代から脈々と続くオマケシールの文化は、継続し、発展し、そして進化しながら今後も続いていく事でしょう。
感じたのは、何か別の文化と融合していく事の大切さですよね。デジタルであったり、音楽であったり、アートであったり、あらゆる可能性を取り込んで、また新しい何かが誕生する。これから先も当分オマケシールから目が離せそうにありません。
インタビューに応じて下さったタカハシユキオ様本当にありがとうございました!
そんな訳で、
こちらからは以上です。
(今回のインタビューは、実際にお会いした訳ではなく、メールでのやり取りを元に構成しています。読みやすいように会話形式にリライトしてお送りいたしました。また『ビックリブック』についてなど当ブログにご意見いただいてもお答えできませんのでご了承ください)
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